――そういえば、去年プレゼントにマフラーを贈った時は、すごく喜んでいたな。あの桃色と赤のストライプも、二人にさぞ似合うだろう。
――ああ、今年もクリスマスのイルミネーションがあるんだっけ。三人で行けたら、どんなに楽しかっただろうなあ……
気付けば、手付かずの本が埃をかぶっていました。それを目に留めた私は、自分があんなに熱を上げていた趣味を今まで忘れて、日々を死んだように過ごして仕事へ行き、ご飯を食べ、身なりを整えて、家事をこなし、シャワーを浴びて、ソファかベッドで眠っている毎日であることに気付きました。
その時、私は唐突に、柳生先生のことを思い出しました。彼女と娘さんが言っていた『不器用』という言葉が、ふと私の脳裏をかすめたのです。
離婚された年から、先生は新作をお書きになっていないのではないだろうか?
私は、彼女が約二十年を共に過ごした『柳生静』を知りません。作品を通して私が抱いている先生の印象が、間違っていないとするならば、という考えに辿りつきました。
――ああ、今年もクリスマスのイルミネーションがあるんだっけ。三人で行けたら、どんなに楽しかっただろうなあ……
気付けば、手付かずの本が埃をかぶっていました。それを目に留めた私は、自分があんなに熱を上げていた趣味を今まで忘れて、日々を死んだように過ごして仕事へ行き、ご飯を食べ、身なりを整えて、家事をこなし、シャワーを浴びて、ソファかベッドで眠っている毎日であることに気付きました。
その時、私は唐突に、柳生先生のことを思い出しました。彼女と娘さんが言っていた『不器用』という言葉が、ふと私の脳裏をかすめたのです。
離婚された年から、先生は新作をお書きになっていないのではないだろうか?
私は、彼女が約二十年を共に過ごした『柳生静』を知りません。作品を通して私が抱いている先生の印象が、間違っていないとするならば、という考えに辿りつきました。


