俺の名前を呼んでくれたのは、君くらいなものだった

 空気の入れ替えのために冷房を止めて窓を開け、冷水を飲んでも瞼は重いままだったし、浅い苛立ちで気分は最悪だった。

 新聞を読んで、一通りニュース番組を見たら寝よう。

 柳生はこの時まで、そう考えていた。それが最善の方法のように思えたし、心身共に受けたダメージのままでは、快適な睡眠なんて取れそうにもない。

 とはいえ、いつもなら新聞を先に読むのだが、徹夜明けの胃袋が途端に猛烈な空腹を訴えてきたので、柳生は朝食としてトーストとベーコンと卵を焼いて食卓についた。

 すると食事によって眠気が飛んでしまい、身体が薄らと汗ばんでいて、身体中に強いニコチン臭も染み込んでいるのを自覚した。たまらず我慢出来なくなり、そのままシャワーを浴びに向かった。


 ニュース番組をゆっくりと見ることができたのは、すっかり昼のような日差しが照り出した頃だった。室内の冷房を稼働させて、ソファでしばし寛いでいると、次第に心地良い眠気が込み上げてきた。