手紙が届いたその日は、雲一つないよく晴れた夏空が広がっていた。
徹夜でエッセイを書いていた柳生は、そのまま夜を明かしてしまい、朝一番に、明るくなり始めた空に薄れゆく星の輝きをしばし眺めて「ああ、夜が明けてしまったのだな」と呟いた。
窓を開けると、しっとりと湿った風が肌に絡みついた。仕事を終えた達成感もあって、穏やかな朝であると感じていた時、マナーモードに設定していた携帯電話が、着信を知らせる画面表示と共に書斎机の上で大袈裟に震えた。
柳生は徹夜明けの坐った目で、書斎机の脇に置かれた己の携帯電話を覗きこんで、たっぷり十数秒ほど眺めることになった。そこに表示されていた名前は『岡村』である。
あいつに携帯電話の番号を教えたのは誰だと、回転の鈍くなった頭で真っ先にそう考えた。こんな時間に電話連絡というのも礼極まりない。そして、先月からほぼ毎日、岡村と連絡を取り合っているという事実が恨めしかった。
徹夜でエッセイを書いていた柳生は、そのまま夜を明かしてしまい、朝一番に、明るくなり始めた空に薄れゆく星の輝きをしばし眺めて「ああ、夜が明けてしまったのだな」と呟いた。
窓を開けると、しっとりと湿った風が肌に絡みついた。仕事を終えた達成感もあって、穏やかな朝であると感じていた時、マナーモードに設定していた携帯電話が、着信を知らせる画面表示と共に書斎机の上で大袈裟に震えた。
柳生は徹夜明けの坐った目で、書斎机の脇に置かれた己の携帯電話を覗きこんで、たっぷり十数秒ほど眺めることになった。そこに表示されていた名前は『岡村』である。
あいつに携帯電話の番号を教えたのは誰だと、回転の鈍くなった頭で真っ先にそう考えた。こんな時間に電話連絡というのも礼極まりない。そして、先月からほぼ毎日、岡村と連絡を取り合っているという事実が恨めしかった。


