夢は、彼の思い出を辿りながら移ろっていった。次の場面に切り替わった時、高校生になったらお父さんがびっくりするような美人になっているんだからね、と勝気に宣言する中学生の娘がそこにいた。その瞳は、きらきらと輝いている。
確か、中学二年生の春の朝に、そんなやりとりをしたのだったと、柳生は今更になって思い出した。キッチンからは、朝食の用意をする物音が妻の気配を醸し出していて、夢は彼が忘れていた日常の一つを鮮明に再現していた。
新しい父親となった男は、娘が高校生として成長した姿を知っているのだろう。きっとそこに、俺が知らない妻の高校生時代を重ねることが出来たに違いない。
夢の中の娘に、思わずそんな本音をもらした。彼女は、「そうね」と後ろで手を組み、こういうところで羨ましがるなんて、なんかお父さんのイメージじゃないな、と笑う。
娘と二人きりでいたリビングは、いつの間にか真っ白で何もない空間になっていた。柳生は、記憶の中の中学生の制服を着た娘と向きあいながら、あの頃は口に出来なかったことを正直に答えた。
確か、中学二年生の春の朝に、そんなやりとりをしたのだったと、柳生は今更になって思い出した。キッチンからは、朝食の用意をする物音が妻の気配を醸し出していて、夢は彼が忘れていた日常の一つを鮮明に再現していた。
新しい父親となった男は、娘が高校生として成長した姿を知っているのだろう。きっとそこに、俺が知らない妻の高校生時代を重ねることが出来たに違いない。
夢の中の娘に、思わずそんな本音をもらした。彼女は、「そうね」と後ろで手を組み、こういうところで羨ましがるなんて、なんかお父さんのイメージじゃないな、と笑う。
娘と二人きりでいたリビングは、いつの間にか真っ白で何もない空間になっていた。柳生は、記憶の中の中学生の制服を着た娘と向きあいながら、あの頃は口に出来なかったことを正直に答えた。


