天空橋が降りる夜

 デイビーは、一瞬止まり、それからそう述べた青年を振り返った。

「僕に取れるだろうか?」
「うん、君は取る事が出来るだろう。さぁ、手を伸ばして、待っていてごらん。ここは星に一番近い場所。うまくいけば、星はすぐにでも、その手の中に落ちてくるだろう」

 デイビーは頷くと、青年が見守っている横で星空を見上げ、手を伸ばした。掌に星が落ちてくるのを待ち、口を閉じて夜空を仰ぐ彼の瞳には、美しく広がる満天の星が映っていた。

「きらきらしていて、すべてがとても綺麗だ」

 独り言のように、デイビーはそう呟いた。

 また一つ、流れ星が二人の上を通り過ぎていった。その際、きらきらとした細かい光が二人のもとへ降りてきた。デイビーは「星の欠片だね」と呟き、青年は頷いて「それが、この雲の上に落ちて白く光るんだ」と言った。

 風もない場所で、デイビーはただ掌を上にして立ち尽くしていた。流れ星が落ちて行くたびに、シャン、シャンと美しい音色が、遠くで起こっては消えて行くのを静かに耳にする。