天空橋が降りる夜

 デイビーは、待つ、と聞いてそわそわとしてたまらず尋ねた。

「では、どうしたらいいだろう?」
「まずは星を取ろう」

 にっこりと笑う青年に、デイビーは胸が躍るのを感じた。「僕はずっと星を取りたかったんだ」と答えたら、青年は「こっちだよ」と嬉しそうにデイビーを手招きして歩き出した。

 デイビーと青年は、雲の上を跳ねるようにして白銀の椅子の前を通り過ぎた。一歩一歩、はずみをつけながら、ぽーん、ぽーん、と静まり返った雲の上を跳ねて行く。

「もう、すっかり音がないね」
「次に来る天馬の羽音が、よく聞こえるだろう」

 辺りを見やったデイビーに、青年は優しげにそう答えた。

 白くぼんやりと光る雲の上をしばらく行くと、不意に青年は立ち止まり、デイビーを振り返った。

「空を見てご覧」

 デイビーは、促されるまま星空を見やった。その時、「あ」と声を上げた。星空に一際明るい輝きを上げて、流れ落ちて行ったものがあったのだ。

「流れ星だ!」
「そう、あれを受け取めるんだよ」