デイビーは、ゆっくりと白銀の梯子を登り始めた。ほとんど身体の重さを感じなくなり、ふと下を見やると、はるか下に金緑と白の光りが波打っているのが見えた。
もう、ここまで登ってしまったのか。
ぼんやりと、そんな事を思ったデイビーの脳裏に、先程老人が言った言葉が過ぎっていった。
『美しく輝く星を、一つだけ』
まるで、未来のオーティスが言ったみたいに感じた。まるで変な想像をしたと、デイビーは、静かに上へと視線を戻した。
青年が少しの距離で止まって、優しい表情でデイビーを見つめている。
「さぁ、美しい星を取りに行こう」
デイビーは「うん」と答えて再び梯子を登り出した。するすると青年のもとへと行くと、不意に足が浮くような感覚を覚えて、デイビーは下を見やった。
梯子から離れた彼の足は、もう宙を浮いていた。梯子を掴んだ手だけが、デイビーの身体を支えている。上を見てみると、青年もまた宙を浮いて手で梯子を掴んでいた。
「ここからは、もう伝って行くだけだね」
それを知っていたデイビーが言うと、青年が「そうだよ」と続けてにっこりと笑い、白く美しい手を差し出してきた。
デイビーは梯子から手を離すと、浮かぶ手を青年の掌に重ねた。とても懐かしい温かさに目を細め、デイビーは自分を優しく上へ上へと引き上げて行く青年を眺めた。
その向こうに、白銀の眩しい光が、ぼんやりと雲から覗いているのが見えた。
ああ、なんと美しい光景だろう。
デイビーと青年は、ゆっくりと雲の中へ入っていった。デイビーは全身を包む温かい光りに、思わず目を閉じた。瞼の裏も眩しくて、温かい。
「もうしばらくで、天馬達がいらっしゃいますよ。皆さん、もう星はお持ちですか? ああ、まずは四組いらっしゃいましたね。では、お先にどうぞ」
どこからか、そんな声が聞こえてきた。
デイビーはだんだんと、雲が開けていくのを感じた。
もう、ここまで登ってしまったのか。
ぼんやりと、そんな事を思ったデイビーの脳裏に、先程老人が言った言葉が過ぎっていった。
『美しく輝く星を、一つだけ』
まるで、未来のオーティスが言ったみたいに感じた。まるで変な想像をしたと、デイビーは、静かに上へと視線を戻した。
青年が少しの距離で止まって、優しい表情でデイビーを見つめている。
「さぁ、美しい星を取りに行こう」
デイビーは「うん」と答えて再び梯子を登り出した。するすると青年のもとへと行くと、不意に足が浮くような感覚を覚えて、デイビーは下を見やった。
梯子から離れた彼の足は、もう宙を浮いていた。梯子を掴んだ手だけが、デイビーの身体を支えている。上を見てみると、青年もまた宙を浮いて手で梯子を掴んでいた。
「ここからは、もう伝って行くだけだね」
それを知っていたデイビーが言うと、青年が「そうだよ」と続けてにっこりと笑い、白く美しい手を差し出してきた。
デイビーは梯子から手を離すと、浮かぶ手を青年の掌に重ねた。とても懐かしい温かさに目を細め、デイビーは自分を優しく上へ上へと引き上げて行く青年を眺めた。
その向こうに、白銀の眩しい光が、ぼんやりと雲から覗いているのが見えた。
ああ、なんと美しい光景だろう。
デイビーと青年は、ゆっくりと雲の中へ入っていった。デイビーは全身を包む温かい光りに、思わず目を閉じた。瞼の裏も眩しくて、温かい。
「もうしばらくで、天馬達がいらっしゃいますよ。皆さん、もう星はお持ちですか? ああ、まずは四組いらっしゃいましたね。では、お先にどうぞ」
どこからか、そんな声が聞こえてきた。
デイビーはだんだんと、雲が開けていくのを感じた。


