ほんの少しの重さしかなかったので、「本当に入っているのだろうか」とデイビーが袋の外側から果実に触れていると、ふと青年が「おや、先客がいたようだね」と言った。
顔を上げてそちらを見てみると、デイビー達が立っている白銀色の梯子の向こうに、一人の老人が、雲の盛り上がりに尻を乗っけて座っていた。
見た事もないほどひょろりとした長身の彼は、つるりとした豆のような頭部をしていた。長く垂れ下がった眉毛。小さくな口元には、ちょこっとばかしの白い髭をはやしている。
顰め面に眉根を寄せたその老人は、デイビー達に気付くと、長い首を持ち上げるように見てきた。そして、ややあってから会釈をした。
「こんばんは、お二人さん」
「こんばんは、おじいさん」
「こんばんは、ご老人」
デイビー達の挨拶が続き、青年の言葉で会話は途切れた。老人の声はぶっきらぼうだったが、ひどく優しげな口調である事にデイビーはホッとしていた。
その時、デイビーは、彼が自分よりも先にここへ辿り着いていた事に気付いて、今更のように驚いて目を見開いた。
顔を上げてそちらを見てみると、デイビー達が立っている白銀色の梯子の向こうに、一人の老人が、雲の盛り上がりに尻を乗っけて座っていた。
見た事もないほどひょろりとした長身の彼は、つるりとした豆のような頭部をしていた。長く垂れ下がった眉毛。小さくな口元には、ちょこっとばかしの白い髭をはやしている。
顰め面に眉根を寄せたその老人は、デイビー達に気付くと、長い首を持ち上げるように見てきた。そして、ややあってから会釈をした。
「こんばんは、お二人さん」
「こんばんは、おじいさん」
「こんばんは、ご老人」
デイビー達の挨拶が続き、青年の言葉で会話は途切れた。老人の声はぶっきらぼうだったが、ひどく優しげな口調である事にデイビーはホッとしていた。
その時、デイビーは、彼が自分よりも先にここへ辿り着いていた事に気付いて、今更のように驚いて目を見開いた。


