青年はすぐそばにあった木から、慣れたように果実を一つ取った。さわさわ、と金緑にも見える大きな葉が揺れて、小さな音とともに青年の手に果実が収まる。
「はじめの一個は、まず君にやろう」
彼はもう一つへと手を伸ばしながら、先に取った果実をデイビーに差し出した。デイビーは嬉しくなり、ひんやりと冷たい果実を受け取ると、満面の笑みを浮かべた。
「ああ、嬉しいな。僕はこれをもう一度食べるまでに、もうずいぶんと待たされたんだった」
そう言いながら、デイビーは慣れたように果実を回すと「こっちだ」と呟き、不意に両の手でそれを二つに割った。
まるで始めから切られていたかのように、キレイに割れた果実の中には、桃色かかった銀色の実が、瑞々しさたっぷりにぎっしりと詰まっていた。割れた切り口からは、光を帯びた果汁がとろっと溢れ出し、デイビーは「おっと」と言葉をもらしてそれを口に運んだ。
そのまま横から皮ごとかぶりつくと、皮がないのではないかと思えるほどの柔らかい食音が、デイビーの口元からこぼれた。とても甘くて、まろやかな舌触りだ。
「はじめの一個は、まず君にやろう」
彼はもう一つへと手を伸ばしながら、先に取った果実をデイビーに差し出した。デイビーは嬉しくなり、ひんやりと冷たい果実を受け取ると、満面の笑みを浮かべた。
「ああ、嬉しいな。僕はこれをもう一度食べるまでに、もうずいぶんと待たされたんだった」
そう言いながら、デイビーは慣れたように果実を回すと「こっちだ」と呟き、不意に両の手でそれを二つに割った。
まるで始めから切られていたかのように、キレイに割れた果実の中には、桃色かかった銀色の実が、瑞々しさたっぷりにぎっしりと詰まっていた。割れた切り口からは、光を帯びた果汁がとろっと溢れ出し、デイビーは「おっと」と言葉をもらしてそれを口に運んだ。
そのまま横から皮ごとかぶりつくと、皮がないのではないかと思えるほどの柔らかい食音が、デイビーの口元からこぼれた。とても甘くて、まろやかな舌触りだ。


