必要な量だけを水袋に詰めると、デイビーは青年に礼を告げて、それをズボンのベルトに固定した。金の刺繍がされたベルトは、この時のために腰に巻いていたものだ。右側に水袋の口がすっぽりはまり、左側には入れたあとの荷袋が、固定できるような金具がついている。
水袋を専用のベルトで固定した後、デイビーはそれらを今一度見やって小首を傾げた。
「おや。僕は、いつからこのベルトをしていたんだろう」
知っているはずのベルトを見て、そう少しだけ不思議に感じていると、青年が背伸びをして「よし!」と楽しげに叫んだ。そこで、デイビーの疑問はふっと消えてしまっていた。
青年が、デイビーを振り返る。デイビーも青年を見上げ、合図があったわけでもなく、お互い悪戯っ子のような笑みを浮かべて似たような八重歯を覗かせた。
「さてと、次の場所へ行こうか。そこで少し腹ごしらえしよう」
「うん、次の場所へ行こう。僕はそれを食べるのに、ずいぶん待たされたのだから」
この場所を知っていた青年とデイビーは、一緒に同じ場所へと顔を向けた。
雲の下から伸び上がった白銀の梯子が、まだ上にある雲の層へと続いている。
距離は、草原から雲の位置ほどぐらいの高さだったが、デイビーはもう気にはならなかった。「ついてこれられるかな」と茶化した青年に、「次こそは君に遅れないよ」と言葉を返す。
二人は弾けんばかりの笑顔を浮かべると、同時に走り出していた。
水袋を専用のベルトで固定した後、デイビーはそれらを今一度見やって小首を傾げた。
「おや。僕は、いつからこのベルトをしていたんだろう」
知っているはずのベルトを見て、そう少しだけ不思議に感じていると、青年が背伸びをして「よし!」と楽しげに叫んだ。そこで、デイビーの疑問はふっと消えてしまっていた。
青年が、デイビーを振り返る。デイビーも青年を見上げ、合図があったわけでもなく、お互い悪戯っ子のような笑みを浮かべて似たような八重歯を覗かせた。
「さてと、次の場所へ行こうか。そこで少し腹ごしらえしよう」
「うん、次の場所へ行こう。僕はそれを食べるのに、ずいぶん待たされたのだから」
この場所を知っていた青年とデイビーは、一緒に同じ場所へと顔を向けた。
雲の下から伸び上がった白銀の梯子が、まだ上にある雲の層へと続いている。
距離は、草原から雲の位置ほどぐらいの高さだったが、デイビーはもう気にはならなかった。「ついてこれられるかな」と茶化した青年に、「次こそは君に遅れないよ」と言葉を返す。
二人は弾けんばかりの笑顔を浮かべると、同時に走り出していた。


