それでも、デイビーは登る事をやめなかった。彼は、ずっとこれに登りたかったのだ。諦めるものかとデイビーは唇を噛みしめ、雲に頭をくっつけている青年に目を向けたまま、ただ必死に進み続けた。
疲労のせいか、下へと引っ張られる感覚が進むごとに強くなった。まるで数十人に身体を掴まれているような苦しさを感じて、次の一段を登ったところで、デイビーは思わず奥歯を噛みしめた。
「大丈夫かい? 手を貸そうか?」
頭上から、青年が陽気な声を掛けてくる。
デイビーは首を横に振ると、「自分で登る」と息も切れ切れにそう答えた。青年のところまであと少しの距離に来ているのに、手足を伸ばすごとに耐えきれない重みがデイビーを襲う。
まるで、行くな、行くなと、地上から引っ張られているみたいだった。そんな馬鹿の事あるもんかと、見えない何かを振りほどくように身体をよじらせながら、デイビーはとうとう青年の足元まで辿り着いた。
「うん、頑張ったね。とりあえず、登ったところで一休みしよう」
疲労のせいか、下へと引っ張られる感覚が進むごとに強くなった。まるで数十人に身体を掴まれているような苦しさを感じて、次の一段を登ったところで、デイビーは思わず奥歯を噛みしめた。
「大丈夫かい? 手を貸そうか?」
頭上から、青年が陽気な声を掛けてくる。
デイビーは首を横に振ると、「自分で登る」と息も切れ切れにそう答えた。青年のところまであと少しの距離に来ているのに、手足を伸ばすごとに耐えきれない重みがデイビーを襲う。
まるで、行くな、行くなと、地上から引っ張られているみたいだった。そんな馬鹿の事あるもんかと、見えない何かを振りほどくように身体をよじらせながら、デイビーはとうとう青年の足元まで辿り着いた。
「うん、頑張ったね。とりあえず、登ったところで一休みしよう」


