天空橋が降りる夜

「じゃあ、君にはその資格があって、君のもとへはその雲がやってくるというのか」

 僕には来なくて、君には来るというのか。

 デイビーは、自分の守るべき自信を取られまいとするかのように、威圧感のあるオーティスの鋭い瞳を睨み返した。すると、オーティスは眉一つ動かさないまま「ああ」と言った。

「俺のもとへは来るが、お前はその雲を探す事さえ出来ないだろう」

 ゆっくりと言葉を紡ぎ、はっきりとした強い口調でオーティスはそう述べた。

 彼はしばらく、真っ直ぐにデイビーを見つめていた。不意に、いつもの強気と自慢に満ちた笑顔を浮かべる。

 デイビーはふと、その顔が自分に向けられたのが随分久しぶりである事に感じた。広場の木に登った時以来だな、とぼんやりと思っていると、向かい合う彼が見下ろすようにして口を開いてきた。

「お前は知らぬのか。俺がこの前、その雲を見つけ、光り輝く白い梯子が降りて来たという事を」
「えっ、そうなのかい!?」