褒めるように村長が拍手をした。促された周りのあの少年達も、渋々デイビーを振り返って拍手をする。デイビーは嬉しさと恥ずかしさに俯きながらも、村長に「ありがとうございます」と言葉を返した。
先程までの気持ちはどこかへと吹き飛び、デイビーは一気に気分が良くなってしまった。村長に「岩山を登った時はどうだった」と尋ねられ、「登っただけです」ともごもご答えた。しかし村長が尋ねるごとに気分は高まり、気付くと少年達の誰よりも陽気に話し始めていた。
「夜にパンを持って家を抜け出したんです。少し肌寒かったけれど走ったので全然平気でした。目の前で見ると、随分高い山だなぁと思ったのですが、登ってみるとひとたび感想を忘れて、ただ一心に登りました。手で掴むと欠けそうになった岩も、勿論ありました。でも僕は冷静だったので、慌てる事もなく手を伸ばして――だからこそ登れたのだと思います」
オーティスを除いた少年達は、ポカンとして「デイビーがこんなにも話し上手なのは知らなかった」と彼を見つめていた。身振り手振り話したデイビーは気分が良く、話し終わると魅力的な笑顔で村長を見つめ返していた。
先程までの気持ちはどこかへと吹き飛び、デイビーは一気に気分が良くなってしまった。村長に「岩山を登った時はどうだった」と尋ねられ、「登っただけです」ともごもご答えた。しかし村長が尋ねるごとに気分は高まり、気付くと少年達の誰よりも陽気に話し始めていた。
「夜にパンを持って家を抜け出したんです。少し肌寒かったけれど走ったので全然平気でした。目の前で見ると、随分高い山だなぁと思ったのですが、登ってみるとひとたび感想を忘れて、ただ一心に登りました。手で掴むと欠けそうになった岩も、勿論ありました。でも僕は冷静だったので、慌てる事もなく手を伸ばして――だからこそ登れたのだと思います」
オーティスを除いた少年達は、ポカンとして「デイビーがこんなにも話し上手なのは知らなかった」と彼を見つめていた。身振り手振り話したデイビーは気分が良く、話し終わると魅力的な笑顔で村長を見つめ返していた。