「勝手なことをしてすみません。最近、委員長眠れていないみたいだし、手伝ってもらった方がいいかなと思いまして……」

 夜中に発作で起こされることが増えたからなぁ。風紀の仕事はどうにかなっているのだが、と思いながら、サードは事実を教える訳にもいかず「まぁ、うん」と言葉を考えて言った。

「別に構わねぇよ」

 部員たちを勝手に動かされたとしても、学園内での取り締まりに支障が出ないのであればいい。ここ一年でリューもそれを分かって動いてくれているので、サードは一部の判断については彼に任せてもいた。

 いずれ自分がいなくなったら、彼が風紀委員長になるかもしれない。そういう事情もあって、全て自分に判断を預けてなくてもいいというスタンスを取っている。

 それにしても、仔猫が飼えないのは残念だなぁ……。

 委員長席に腰かけ、山積みにされた書類を引き寄せながら、サードは表情に出さず再び思ってしまう。あの木の所で待っていれば、もう一度会えるだろうか?