サードは、超治癒再生で、喉の炎症が早急に治っていくのを感じ「あ~」と声を出してみた。掠れてはいないので、大丈夫だろうと判断して重い腰を上げる。

 寿命が縮まったと告げたわけではない。発作の頻度を教えただけ。そう思いながら、汚れてしまったタオルを申し訳なさそうにしてスミラギに返した。

「面倒かけて、ごめん。それじゃ」

 サードは、そのまま保健室を出た。

 歩き出してすぐ、以前取り締まった三学年生の大きな男子生徒とバッタリ会い、怯えを露わに廊下の隅に寄られてしまった。別に違反行為をしていなければぶっ飛ばしたりしないのにな、と少しだけ複雑な気分になった。
 
               ◇◇◇

 風紀委員会室に戻ると、副委員長席に座るリューの他に、応接間のテーブルを四人の部員たちが囲んで、今週末に使う予定の書類作りをしていた。

 プライベートで話したことはないが、同学年の二学年生と三学年生である。そう思って見つめていると、気付いたリューが「お疲れ様です」と副委員長の執務席から手を振ってきた。