目覚めてから二日間の休養を経て、腹部の激痛がようやく鈍痛に変わってくれた。その翌日の月曜日、サードは風紀委員長として復帰し学園に登校した。

 学園に入ってすぐ、やたらと周りから視線が突き刺さってきた。以前ほど露骨ではないものの、ひそひそと囁かれる声が聞こえてきて居心地が悪い。

 実験で成功した半悪魔体、と教えられせいだろう。睨まれてはいないようなので精神的疲労は二割減なのだが、以前にも増して視線を向けられている状況には慣れない。恐怖の風紀委員長は本物の悪魔だった、という新たな文句やら悪名やらが頭に浮かんだりした。

 風紀委員会室に行くと、既に風紀副委員長のリューが座っていた。一週間振りに顔を合わせたサードは、彼がぶわりと感激を浮かべるのを見てギョッとした。

「委員長! おかえりなさいっ! ご無事で何よりですうわああああああ超嬉しいです!」
「ひぃ!? ちょ、まだ痛むからそこでストップだ!」

 再開早々に飛びつかれそうになったサードは、慌てて避けつつ「スキンシップが過度じゃね!?」と叫んだ。