「でも、もう表面の傷は塞がってるんだぜ?」

 身体の半分は、悪魔細胞で出来ているのだ。元々持っている治癒能力は、通常の人間とは根本的に性能や速さが違っている。

 その時、ユーリスが苦い笑みを浮かべ手を離し、サードの意見を肯定するように「うん、魔術回路は安定しつつあるね。さすがに早いや」と口にした。

「サード君なら、数日内の復帰も可能だろうね。スミラギ先生にも、本人が大丈夫だと言うのなら学園生活をスタートさせると言っていたし、剣で損傷した箇所も、恐らく一週間くらいでは完治にしちゃうと思うよ。まっ、それにサード君の事だから、大人しくしていられないでしょ――ってリュー君が言ってた」
「あの野郎。後でシめる」

 最近、風紀部員は、結構好き勝手物を言ってくる気がする。これまで必要以上に話す事もなかったのに、業務休憩が始まってからは「手伝えることはありませんか?」と気軽に顔を出したり、サードの前で雑談を繰り広げたりしていた。