もっと沢山この世界を見て、知らないものを知っていけて。仲良くなっていたリューや、風紀部員たちをと一緒に風紀委員会の仕事で走り回れる……?
なら俺は、この眩しい世界を、もう少し見ていていいのか。
なぜか、悲しくもないのに涙が出そうになった。思わず表情を隠そうとして視線を落としたら、トム・サリファンが怪訝な表情を浮かべて、ちょっと心配そうにこちらを覗き込んできた。
「どうした、珍しい表情だな?」
「……無理やり起きたこの体勢だと、背中とかすごく痛ぇなと思って。いちいち、あちこち軋むし、喉乾くのに水も飲みにくいし」
思い付いた言葉を口にしたら、なんだか下手くそな言い訳みたいな台詞になった。それなのに、途端にトム・サリファンが「任せておけ」と言って、こちらの上体を抱え起こし、丁寧に背中にクッションを敷きつめて傾斜をつけてくれた。
触れてきたトム・サリファンから、服越しでも分かるほど熱い体温が伝わってきて、サードはもっと泣きそうになった。思わず「あったかいな……」と呟いたら、彼が小さく苦笑して「当然だろう」と言ってきた。
なら俺は、この眩しい世界を、もう少し見ていていいのか。
なぜか、悲しくもないのに涙が出そうになった。思わず表情を隠そうとして視線を落としたら、トム・サリファンが怪訝な表情を浮かべて、ちょっと心配そうにこちらを覗き込んできた。
「どうした、珍しい表情だな?」
「……無理やり起きたこの体勢だと、背中とかすごく痛ぇなと思って。いちいち、あちこち軋むし、喉乾くのに水も飲みにくいし」
思い付いた言葉を口にしたら、なんだか下手くそな言い訳みたいな台詞になった。それなのに、途端にトム・サリファンが「任せておけ」と言って、こちらの上体を抱え起こし、丁寧に背中にクッションを敷きつめて傾斜をつけてくれた。
触れてきたトム・サリファンから、服越しでも分かるほど熱い体温が伝わってきて、サードはもっと泣きそうになった。思わず「あったかいな……」と呟いたら、彼が小さく苦笑して「当然だろう」と言ってきた。