「ん~、そっか。じゃあ本当に、ただの気のせいなのかもしれないな」
なんだ、そっか、とサードは走る先へと目を戻す。
「仲間は、今の方がいいって言っていたから、なら、きっと俺の方がおかしいんだろう。痛みがはっきりしていた頃の方が、今よりずっと生きていたような気がするなんて、そう思う俺の方に何かしら欠陥があるってことかもしれない」
地上に出てから、よく理解に困る何かが胸に込み上げることがある。きらきら眩しい色彩が目に沁みて、一瞬思考が止まったことにも気付かないで眺め続けたりして。
不思議だよな、とサードは独り言のようにそれを話した。
「一年と七ヶ月の生活がさ、それ以上に長いはずの過去を押しのけて胸の中を占めているのは、なんでなんだろうなぁ」
そんな疑問も口にしてみたが、やはりソーマ達から答えは返ってこなかった。
ようやく見慣れた運動場に出た。そこで目に飛び込んできた光景に、思わずサード達は揃って足を止めてしまった。
広々とした運動場には、大きな地割れがあった。普通の人間が落ちたら、怪我をするレベルでは済まなさそうな大きな穴も開いている。
なんだ、そっか、とサードは走る先へと目を戻す。
「仲間は、今の方がいいって言っていたから、なら、きっと俺の方がおかしいんだろう。痛みがはっきりしていた頃の方が、今よりずっと生きていたような気がするなんて、そう思う俺の方に何かしら欠陥があるってことかもしれない」
地上に出てから、よく理解に困る何かが胸に込み上げることがある。きらきら眩しい色彩が目に沁みて、一瞬思考が止まったことにも気付かないで眺め続けたりして。
不思議だよな、とサードは独り言のようにそれを話した。
「一年と七ヶ月の生活がさ、それ以上に長いはずの過去を押しのけて胸の中を占めているのは、なんでなんだろうなぁ」
そんな疑問も口にしてみたが、やはりソーマ達から答えは返ってこなかった。
ようやく見慣れた運動場に出た。そこで目に飛び込んできた光景に、思わずサード達は揃って足を止めてしまった。
広々とした運動場には、大きな地割れがあった。普通の人間が落ちたら、怪我をするレベルでは済まなさそうな大きな穴も開いている。