ユーリスがそこで、何かに気付いたように言葉を切って振り返った。
珍妙な小さな足音が聞こえて、サードもつられて同じ方向へ視線を向けた。先程、生徒会室のソファに強制避難させた、例の小動物の姿が目に留まって「あ」と思い出す。
奇妙な形をした可愛らしい例の小動物は、魔獣の死体の山を避けるように、赤黒い床の上をぺったんぺったん、と二本の脚で歩いた。こちらの近くで立ち止まると、アイス・ブルーの瞳を凶悪に細めて、ギロリと睨み上げてくる。
それを目にしたユーリスが、「なぁんだ」と言ってにっこり笑った。
「こんな所にいたんだねぇ。どこに行ったのかと思って、探すのに時間がかかっちゃったよ。ソーマ君に聞いても、勝手にいなくなっちゃったって言うし」
「キィッ、キュキュゥッキュ!」
「え~? 時間がないのに、生徒会室に集合する訳ないじゃない。というか、なんで怒ってんの? 『兎』、可愛いでしょ?」
一人と一匹のやりとりを聞いていたサードは、一つの可能性を思って「まさか」と口角を引き攣らせていた。
珍妙な小さな足音が聞こえて、サードもつられて同じ方向へ視線を向けた。先程、生徒会室のソファに強制避難させた、例の小動物の姿が目に留まって「あ」と思い出す。
奇妙な形をした可愛らしい例の小動物は、魔獣の死体の山を避けるように、赤黒い床の上をぺったんぺったん、と二本の脚で歩いた。こちらの近くで立ち止まると、アイス・ブルーの瞳を凶悪に細めて、ギロリと睨み上げてくる。
それを目にしたユーリスが、「なぁんだ」と言ってにっこり笑った。
「こんな所にいたんだねぇ。どこに行ったのかと思って、探すのに時間がかかっちゃったよ。ソーマ君に聞いても、勝手にいなくなっちゃったって言うし」
「キィッ、キュキュゥッキュ!」
「え~? 時間がないのに、生徒会室に集合する訳ないじゃない。というか、なんで怒ってんの? 『兎』、可愛いでしょ?」
一人と一匹のやりとりを聞いていたサードは、一つの可能性を思って「まさか」と口角を引き攣らせていた。