見回りの報告に関しては、小分けで行うより全員いた方が時間短縮になるということで、午前と午後、活動終了時刻にも必ず皆で集まるようになった。

 書類の処理業務に関しても、部員たちが「この量を役職持ちだけでやるのは、当然無理に決まってます」と言い出し、見回りの合間に、それぞれの班がどうにか時間を見付けて手伝うようにもなっていた。

 そもそも、聖アリスト教会学園は全校生徒三百人弱とはいえ、国内でも最大級の校舎面積を誇る王立の全寮制の学校であるのだ。それを、たった二十八人で全風紀をやろうとするのが無謀だった。

 そんなことを考えていると、理事長がまたしても別の話題を振ってきた。

「国が必死になってお前たちを作り出した理由と、その役目を理解しているか」

 今日は、珍しくよく喋るなぁと思いながら、サードは顔を上げて「はい」と答えた。

「悪魔が再来するたびに、多くの生徒が犠牲になっていると聞きました。子供たちの未来を守ること、今世代で終わりにするために、俺がいます」