実を言うと、顔を会わせた当初から、生徒会には苦手意識があった。何故か同性のファンクラブが存在するほど人気があり、入学早々その騒動やら男の嫉妬やらで、サードは傍迷惑を被り続けてもいるのだ。

 とはいえ来る日の役割のために、嫌々ながらも努力して風紀委員長を続けてきた自分が、ここで逃げるような姿を見せるわけにはいかない。

 サードとしては、放っておいてくれるとかなり助かるのだが、学園で一番有名な嫌われ者だろうと、公共の場で平然と絡んでくるのが生徒会だった。他の生徒のように距離を置いてくれない、一筋縄ではいかない集団であることが実に忌々しい。

 そう非常に嫌な現実を思っていると、ロイがこちらに気付いた。その顔に意地の悪い笑みが浮かぶのを見て、サードは心底嫌になった。このまま素早く周れ右をして逃走してしまいたい。

 だがしかし、生徒会と風紀委員会のトップが、言葉を交わさないほど険悪であると周りに受け止められるのは、あまりよろしくないのも事実だった。二つの委員会は、一部連携を取って業務を進めているからだ。