鮮やかな黄色が、畑一面に広がっている。


「もう夏、か」


 見物客でにぎわう向日葵畑。
 おもむろにスマホを取り出して、シャッターを切る。

 あれから、五年。
 僕は近くの大学に進学し、大学生をやっている。




「颯。綺麗に撮れた?」




 ふと肩を叩かれる。

 振り返った景色の中、見知った笑顔がそこにあった。




「私は未来(あなた)だけを見つめる」

(fin)