今日は団長会議なので、新座者の私は早めに会議室へ向かった。
「副団長、団長服がないから騎士の隊服だけど良いよね? 団長の腕章着けてるし」
「はい、他の方々も承知しているでしょうから大丈夫ですよ」
そうだよね。私の事は異例だったし、皆さん事情は知ってるよね。
会議室に着くとやっぱり私達が一番だった。
「何だかドキドキする。始まる前に挨拶は済ませたほうが良い?」
「どうでしょう。恐らく自己紹介があると思いますよ。目が合えば程度でよろしいかと」
目が合えばって。それが難しいんだよ。
そんな事を思いながら、ソワソワして部屋の隅で待っていると第三騎士団長がやって来た。
「あら? まだ集まっていなのね?」
ん? あれ? 男性? まさかのオネエ?
すらっと背の高い美人さんは長いロングの髪を流したまま、マントを軽く肩にかけ入口でハテナな顔で立っていた。
私はあまりにもキレイなのでガン見してしまっていた。
「あ~! 第七の団長じゃない? ねぇ? ねぇ?」
と、スタスタと第三騎士団長がやって来る。
「あっ、はい。初めましてラモンです。これからよろしくお願い致します」
「あは~。かわいい。ねぇ、いくつ? お肌プルプルじゃない。羨ましいわぁ」
ペタペタといきなり顔を撫でられる。
「あはは。恐れ入ります?」
「ふふふ。緊張してるのね? そんな感じもかわいいわぁ。やだ~」
ははは。インパクトすげーな。
「私は第三のユーグナーよ。ユーグって呼んでね」
「はい。ユーグ様」
「やだわ~、団長同士は呼び捨てが基本よ。ね?」
「ユーグ… さん。私はまだ少し… ユーグさんでご容赦下さい」
「硬いわね… って、ドーン参謀じゃない? そうだったわね。ふ~ん。いい組み合わせなのかしら?」
ユーグさんは副隊長を一瞥すると軽く挨拶する。
「お久しぶりですな、ユーグ殿」
ここで副隊長が話に入ってくれた。正直助かった。だって、推しが強いんだもん、ユーグさん。
「久しぶり。第一じゃないドーン参謀なんて新鮮ね。あっといけない、これからはドーンね。こっちも紹介するわ、副団長のベネットよ」
黒縁メガネの頭良さげな上品な女性が、ユーグさんの後ろで一礼してくれた。
と、ちょっと周りを見渡せばいつの間にか他の団長達も集まって来ていた。
私を見てコソコソと話す人や、全く無視をして席に着いている人など様々だった。
「ラモン、今日は再編最初だから挨拶と定例会議よ。すぐに終わるから安心なさい。席に着くといいわ」
「はい、ありがとうございます」
私は第七の札がある席へ移る。
「はんっ、ここは遊技場じゃないぜ。お子様よぉ」
そして座ろうとした時、嫌味な声が掛けられる。早速来たか。
私は無視して席に着いた。
「おい! 聞こえてんだろ? お前だよ、第七の!」
「はぁ。私ですか? 私はお子様ではございません」
「おいおい、お子様だろ? お前いくつだよ? 団長服すらままならないペーペーが」
そこ関係ないじゃん! しょうがないじゃん! 急になったんだから。てかどこのやつだ?
偉そうな大男の前の札を確認する。第六騎士団。確か、騎士団だけど魔法が主な戦闘部隊。魔法と剣の両刀が多かったはず。普段は王都の上空を守護しているんだよね。あとは、犯罪者などの牢屋番。
「ま~、第七なんぞ、いつもの様に来月には首がすげ変わってるだろうがな。陛下もお人が悪い。あんな底辺の騎士団の団長なんかにこんな小娘を座らせるなんて。もしかして、もう島流しにするやつが尽きたか? な~? 褒美どころか残念賞だぜ、あはははは」
底辺とか! 残念賞とか! 言い過ぎじゃない! てか、同じ騎士団じゃん! 何なんだこいつ。
「ははは、それは来月のお楽しみって事で」
と、私は何食わぬ顔で座ってやる。
「てめぇ、舐めてんのか?」
「いえ。お気に触ったのなら失礼しました」
「こいつ~!」
ダンっと、机を鳴らし拳を握って立ち上がる第六騎士団長。
「まぁまぁ、会議が始まりますよ。そのぐらいで。どうせ今回限りの団長ですよ。ね?」
と、これもまた嫌味な感じのやつが第六騎士団長をなだめている。多分、副団長かな?
「はん、それもそうだな」
ようやく静かになった会議場は、すでに第一を除いてみんな着席していた。
そろっとドーン副団長を振り返ると、目を閉じて静観している様子だった。
え~、助けてくれないんだ~。そりゃ~、ちょっとケンカを買った感じはあるけど… ぐすん。
ほんの数分経った頃、会議室に第一騎士団の方達が到着した。総勢五名。他の騎士団は団長と副団長のみ。
「これより騎士団会議を始める」
総騎士団長の号令と共に会議は開始した。
「まずは新しい騎士団長の紹介からだ。第四と第七挨拶を」
「では、私から。私は第四騎士団長、もとい近衛騎士団長のサイモン・リューゲン公爵だ。よろしく頼むぞ」
「おい。騎士団では爵位は無意味だ。言い直せ」
『クッ』っと、苦虫を潰した様な顔になったサイモン様はワナワナしながら睨んでいる。
総騎士団長、怖ぇ~。
「私は近衛騎士団長のサイモンだ」
むすっとした態度でドカっと座る。激おこプンプンだね。
「団長位は全て同格だ。今後、公爵であろうと呼び捨てである。それとな、サイモン。近衛騎士は仕事内容であって役職名ではない。お前は第四騎士団長だ。これからは改めるように」
公爵様だろうが、さらっと言い含んだ総騎士団長。流石っと言っていいのか…
サイモン様の額にいくつも青筋が見える。
って、次私の番なんですけど!!!
「副団長、団長服がないから騎士の隊服だけど良いよね? 団長の腕章着けてるし」
「はい、他の方々も承知しているでしょうから大丈夫ですよ」
そうだよね。私の事は異例だったし、皆さん事情は知ってるよね。
会議室に着くとやっぱり私達が一番だった。
「何だかドキドキする。始まる前に挨拶は済ませたほうが良い?」
「どうでしょう。恐らく自己紹介があると思いますよ。目が合えば程度でよろしいかと」
目が合えばって。それが難しいんだよ。
そんな事を思いながら、ソワソワして部屋の隅で待っていると第三騎士団長がやって来た。
「あら? まだ集まっていなのね?」
ん? あれ? 男性? まさかのオネエ?
すらっと背の高い美人さんは長いロングの髪を流したまま、マントを軽く肩にかけ入口でハテナな顔で立っていた。
私はあまりにもキレイなのでガン見してしまっていた。
「あ~! 第七の団長じゃない? ねぇ? ねぇ?」
と、スタスタと第三騎士団長がやって来る。
「あっ、はい。初めましてラモンです。これからよろしくお願い致します」
「あは~。かわいい。ねぇ、いくつ? お肌プルプルじゃない。羨ましいわぁ」
ペタペタといきなり顔を撫でられる。
「あはは。恐れ入ります?」
「ふふふ。緊張してるのね? そんな感じもかわいいわぁ。やだ~」
ははは。インパクトすげーな。
「私は第三のユーグナーよ。ユーグって呼んでね」
「はい。ユーグ様」
「やだわ~、団長同士は呼び捨てが基本よ。ね?」
「ユーグ… さん。私はまだ少し… ユーグさんでご容赦下さい」
「硬いわね… って、ドーン参謀じゃない? そうだったわね。ふ~ん。いい組み合わせなのかしら?」
ユーグさんは副隊長を一瞥すると軽く挨拶する。
「お久しぶりですな、ユーグ殿」
ここで副隊長が話に入ってくれた。正直助かった。だって、推しが強いんだもん、ユーグさん。
「久しぶり。第一じゃないドーン参謀なんて新鮮ね。あっといけない、これからはドーンね。こっちも紹介するわ、副団長のベネットよ」
黒縁メガネの頭良さげな上品な女性が、ユーグさんの後ろで一礼してくれた。
と、ちょっと周りを見渡せばいつの間にか他の団長達も集まって来ていた。
私を見てコソコソと話す人や、全く無視をして席に着いている人など様々だった。
「ラモン、今日は再編最初だから挨拶と定例会議よ。すぐに終わるから安心なさい。席に着くといいわ」
「はい、ありがとうございます」
私は第七の札がある席へ移る。
「はんっ、ここは遊技場じゃないぜ。お子様よぉ」
そして座ろうとした時、嫌味な声が掛けられる。早速来たか。
私は無視して席に着いた。
「おい! 聞こえてんだろ? お前だよ、第七の!」
「はぁ。私ですか? 私はお子様ではございません」
「おいおい、お子様だろ? お前いくつだよ? 団長服すらままならないペーペーが」
そこ関係ないじゃん! しょうがないじゃん! 急になったんだから。てかどこのやつだ?
偉そうな大男の前の札を確認する。第六騎士団。確か、騎士団だけど魔法が主な戦闘部隊。魔法と剣の両刀が多かったはず。普段は王都の上空を守護しているんだよね。あとは、犯罪者などの牢屋番。
「ま~、第七なんぞ、いつもの様に来月には首がすげ変わってるだろうがな。陛下もお人が悪い。あんな底辺の騎士団の団長なんかにこんな小娘を座らせるなんて。もしかして、もう島流しにするやつが尽きたか? な~? 褒美どころか残念賞だぜ、あはははは」
底辺とか! 残念賞とか! 言い過ぎじゃない! てか、同じ騎士団じゃん! 何なんだこいつ。
「ははは、それは来月のお楽しみって事で」
と、私は何食わぬ顔で座ってやる。
「てめぇ、舐めてんのか?」
「いえ。お気に触ったのなら失礼しました」
「こいつ~!」
ダンっと、机を鳴らし拳を握って立ち上がる第六騎士団長。
「まぁまぁ、会議が始まりますよ。そのぐらいで。どうせ今回限りの団長ですよ。ね?」
と、これもまた嫌味な感じのやつが第六騎士団長をなだめている。多分、副団長かな?
「はん、それもそうだな」
ようやく静かになった会議場は、すでに第一を除いてみんな着席していた。
そろっとドーン副団長を振り返ると、目を閉じて静観している様子だった。
え~、助けてくれないんだ~。そりゃ~、ちょっとケンカを買った感じはあるけど… ぐすん。
ほんの数分経った頃、会議室に第一騎士団の方達が到着した。総勢五名。他の騎士団は団長と副団長のみ。
「これより騎士団会議を始める」
総騎士団長の号令と共に会議は開始した。
「まずは新しい騎士団長の紹介からだ。第四と第七挨拶を」
「では、私から。私は第四騎士団長、もとい近衛騎士団長のサイモン・リューゲン公爵だ。よろしく頼むぞ」
「おい。騎士団では爵位は無意味だ。言い直せ」
『クッ』っと、苦虫を潰した様な顔になったサイモン様はワナワナしながら睨んでいる。
総騎士団長、怖ぇ~。
「私は近衛騎士団長のサイモンだ」
むすっとした態度でドカっと座る。激おこプンプンだね。
「団長位は全て同格だ。今後、公爵であろうと呼び捨てである。それとな、サイモン。近衛騎士は仕事内容であって役職名ではない。お前は第四騎士団長だ。これからは改めるように」
公爵様だろうが、さらっと言い含んだ総騎士団長。流石っと言っていいのか…
サイモン様の額にいくつも青筋が見える。
って、次私の番なんですけど!!!