プロローグ
その星は、何年も戦争を続けていた。そして、今も戦争を続けている。
激しい放火が飛び交う中、私は冷たいトーチカのような部屋で指揮を執っていた。目の前には軍服を着た複数の男が小さな窓から望遠鏡を覗かせ、外の様子を監視している。だが、いくら見ていても私達の砲撃は「空飛ぶ悪魔」には全く効かず、逆に敵の砲撃は我々の防御砲台を豆腐を砕くより容易く、粉々に砕き散らしていた。
それでも私は諦めずに砲撃を続けようと、懸命に指示を出し続ける。だが、そんな時、ふと上から空気を切り裂くような爆音が聞こえた。それはこの部屋の直上から敵機が急降下して爆弾を投下する、まさにその音であった。マズイ、死ぬ…。そう思い身体を動かそうとしても恐怖で一向に動く気配がなく、ただただ呆然と上を見上げる。永遠にも思える時間されど一瞬のようにも思えた。あぁ、そろそろ終わりか。そう思って目を閉じようとしたその時。
「陛下ぁ!」
という声と共に部屋の中の若い男が私に飛びかかり、物凄い勢いで開いていた扉に向かって私を投げ飛ばしたかと思うと、勢いよく鉄扉が閉まり、私は廊下に投げ飛ばされた。
「な、何を…!」
そう言おうとした瞬間、目の前の部屋が吹き飛び、私もその爆発に巻き込まれて私の意識は無限の彼方へ消えていった。
…どのくらい経っただろうか。私はふと私の名前を呼ぶ声で目を覚ました。
「…下!陛下!アリア女王陛下!」
「あ…モンナグ…」
そう目をうっすらと開け、私の名前を呼ぶ人の方を見る。それに気づいたのか
「陛下はまだ生きている!急いで救護所へ搬送しろ!」
と周りの人間に指示を飛ばしていた。まだ開き切らない目で前の方を見ると、私がいたはずの部屋は跡形もなく消し飛ばされた、誰かの腕だけがそこに無惨に落ちていた。
その星は、何年も戦争を続けていた。そして、今も戦争を続けている。
激しい放火が飛び交う中、私は冷たいトーチカのような部屋で指揮を執っていた。目の前には軍服を着た複数の男が小さな窓から望遠鏡を覗かせ、外の様子を監視している。だが、いくら見ていても私達の砲撃は「空飛ぶ悪魔」には全く効かず、逆に敵の砲撃は我々の防御砲台を豆腐を砕くより容易く、粉々に砕き散らしていた。
それでも私は諦めずに砲撃を続けようと、懸命に指示を出し続ける。だが、そんな時、ふと上から空気を切り裂くような爆音が聞こえた。それはこの部屋の直上から敵機が急降下して爆弾を投下する、まさにその音であった。マズイ、死ぬ…。そう思い身体を動かそうとしても恐怖で一向に動く気配がなく、ただただ呆然と上を見上げる。永遠にも思える時間されど一瞬のようにも思えた。あぁ、そろそろ終わりか。そう思って目を閉じようとしたその時。
「陛下ぁ!」
という声と共に部屋の中の若い男が私に飛びかかり、物凄い勢いで開いていた扉に向かって私を投げ飛ばしたかと思うと、勢いよく鉄扉が閉まり、私は廊下に投げ飛ばされた。
「な、何を…!」
そう言おうとした瞬間、目の前の部屋が吹き飛び、私もその爆発に巻き込まれて私の意識は無限の彼方へ消えていった。
…どのくらい経っただろうか。私はふと私の名前を呼ぶ声で目を覚ました。
「…下!陛下!アリア女王陛下!」
「あ…モンナグ…」
そう目をうっすらと開け、私の名前を呼ぶ人の方を見る。それに気づいたのか
「陛下はまだ生きている!急いで救護所へ搬送しろ!」
と周りの人間に指示を飛ばしていた。まだ開き切らない目で前の方を見ると、私がいたはずの部屋は跡形もなく消し飛ばされた、誰かの腕だけがそこに無惨に落ちていた。