キング・オー・ランタンの討伐完了から1週間後、俺たちは冒険者ギルドの1回カフェでまったりお茶をしていた。
今日は中央都の冒険者ギルド本部からやってくる専門家と話をして、キング・オー・ランタン新種認定をしてもらうのだ。
今はその専門家の到着待ちだった。
淹れたての紅茶をゆっくり味わう俺の向かいで、
「美味しいですー」
カフェの新作メニューである杏仁豆腐を口に入れたアイセルが、幸せそうにつぶやいた。
アイセルは甘いものが大好きなのだ。
「ギルドが運営してるにしては、ここのカフェは無駄にスイーツに力が入ってるよね。ぜんぜんいいけど」
そう言うサクラも、アイセルの隣に座ってシロップがたっぷり乗ったパンケーキをもぐもぐしていた。
サクラもアイセルに負けず劣らず甘いものが好きなのだった。
まぁなんだな、女の子ってのはみんな甘いものが好きなのかもな。
幸せそうにスイーツを堪能する女の子2人を見ていると、俺もほっこり幸せな気分になってくるよ。
「紅茶だけでいいかなって思ったけど、見てたら俺も食べたくなってきたな」
「でしたらぜひこの杏仁豆腐を。すごく美味しいんですよ。お勧めです」
「なら杏仁豆腐を頼むかな。アイセルもお代わりするか?」
「えーと、うーんと……はい、そうします。でも今日だけですから、今日だけ、えへへ」
「あ、ケイスケ。注文するなら私の分も一緒に頼んどいてよ?」
「はいはい。すみませーん、杏仁豆腐を追加で3つお願いします」
「ちなみに今日ってケイスケのおごりなの?」
「なんでだよ、割り勘に決まってんだろ。自分の分はちゃんと自分で払え。っていうかこの中じゃサクラがぶっちぎりで一番の金持ちだろ。むしろおごってくれよ」
「はぁ、ケチな男ねぇ。そんなんじゃモテないわよ?」
「人にたかろうとする女にモテようとは思ってねーよ」
「私はケイスケの心と懐と度量の狭さを問題にしてるのよ」
「へいへい、いろいろ狭くてすんませんね」
なーんて感じで、3人でいつものように和気あいあいとお茶をしてると、
「ケースケ、やっぱりケースケじゃない! 高レベルのバッファーがいるって聞いてもしかしたらって思ったら、こんなところにいたのね!」
カフェのドアが開くと同時に俺の名前を呼ぶ大きな声がしたかと思うと、一人の女性が足早に近づいてきたのだ。
自信に溢れた耳に残る力強く澄んだ声。
異性だけでなく同性すら見とれるほどの美しい顔立ち。
少し茶色がかったゆるふわの長い髪。
神話に出てくる女神も裸足で逃げ出すんじゃないかってくらいに抜群のスタイル。
その誰もがうらやむ見目麗しい姿は、俺がよく知る人物で――、
「シャーリーじゃないか! 3年、いや3年半ぶりか? なんにせよ久しぶりだな!」
それは勇者パーティのメンバーにして世界でただ一人の『魔法使い』である、シャーリー=シェフィールドだったのだ――!
驚きのあまり思わず立ちあがった俺に、
「久しぶりねケースケ! 会いたかったわ!」
シャーリーが飛びついてくる。
そのまま俺の胸に顔をうずめるようにして、シャーリーはぎゅっと俺に抱きついてきた。
「お、おいシャーリー、人前で抱き着くなよ、恥ずかしいだろ」
「あら、人前じゃなかったらいいのかしら?」
「そういう意味じゃなくてだな」
「3年半ぶりの再会なんだからハグぐらいしたっていいじゃない」
「シャーリーは美人すぎるから、何をしても必要以上に目立っちゃうだろ?」
実際俺たちは今、目立ちまくっていた。
カフェにいる全員がこっちに意識を向けているのが肌で感じられる。
「そういうことならしょうがないわね。それにケースケに美人だって言ってもらえたし、今日はこれくらいにしておいてあげる」
シャーリーはそう言うと、小さくウインクをしながら身体を離してくれた。
シャーリーは強気で自分の言いたことをガンガン言うタイプなんだけど、昔から俺の言うことは割と素直に聞き入れてくれるんだよな。
なんでかは知らないけど。
俺たち波長が合うのかな?
今日は中央都の冒険者ギルド本部からやってくる専門家と話をして、キング・オー・ランタン新種認定をしてもらうのだ。
今はその専門家の到着待ちだった。
淹れたての紅茶をゆっくり味わう俺の向かいで、
「美味しいですー」
カフェの新作メニューである杏仁豆腐を口に入れたアイセルが、幸せそうにつぶやいた。
アイセルは甘いものが大好きなのだ。
「ギルドが運営してるにしては、ここのカフェは無駄にスイーツに力が入ってるよね。ぜんぜんいいけど」
そう言うサクラも、アイセルの隣に座ってシロップがたっぷり乗ったパンケーキをもぐもぐしていた。
サクラもアイセルに負けず劣らず甘いものが好きなのだった。
まぁなんだな、女の子ってのはみんな甘いものが好きなのかもな。
幸せそうにスイーツを堪能する女の子2人を見ていると、俺もほっこり幸せな気分になってくるよ。
「紅茶だけでいいかなって思ったけど、見てたら俺も食べたくなってきたな」
「でしたらぜひこの杏仁豆腐を。すごく美味しいんですよ。お勧めです」
「なら杏仁豆腐を頼むかな。アイセルもお代わりするか?」
「えーと、うーんと……はい、そうします。でも今日だけですから、今日だけ、えへへ」
「あ、ケイスケ。注文するなら私の分も一緒に頼んどいてよ?」
「はいはい。すみませーん、杏仁豆腐を追加で3つお願いします」
「ちなみに今日ってケイスケのおごりなの?」
「なんでだよ、割り勘に決まってんだろ。自分の分はちゃんと自分で払え。っていうかこの中じゃサクラがぶっちぎりで一番の金持ちだろ。むしろおごってくれよ」
「はぁ、ケチな男ねぇ。そんなんじゃモテないわよ?」
「人にたかろうとする女にモテようとは思ってねーよ」
「私はケイスケの心と懐と度量の狭さを問題にしてるのよ」
「へいへい、いろいろ狭くてすんませんね」
なーんて感じで、3人でいつものように和気あいあいとお茶をしてると、
「ケースケ、やっぱりケースケじゃない! 高レベルのバッファーがいるって聞いてもしかしたらって思ったら、こんなところにいたのね!」
カフェのドアが開くと同時に俺の名前を呼ぶ大きな声がしたかと思うと、一人の女性が足早に近づいてきたのだ。
自信に溢れた耳に残る力強く澄んだ声。
異性だけでなく同性すら見とれるほどの美しい顔立ち。
少し茶色がかったゆるふわの長い髪。
神話に出てくる女神も裸足で逃げ出すんじゃないかってくらいに抜群のスタイル。
その誰もがうらやむ見目麗しい姿は、俺がよく知る人物で――、
「シャーリーじゃないか! 3年、いや3年半ぶりか? なんにせよ久しぶりだな!」
それは勇者パーティのメンバーにして世界でただ一人の『魔法使い』である、シャーリー=シェフィールドだったのだ――!
驚きのあまり思わず立ちあがった俺に、
「久しぶりねケースケ! 会いたかったわ!」
シャーリーが飛びついてくる。
そのまま俺の胸に顔をうずめるようにして、シャーリーはぎゅっと俺に抱きついてきた。
「お、おいシャーリー、人前で抱き着くなよ、恥ずかしいだろ」
「あら、人前じゃなかったらいいのかしら?」
「そういう意味じゃなくてだな」
「3年半ぶりの再会なんだからハグぐらいしたっていいじゃない」
「シャーリーは美人すぎるから、何をしても必要以上に目立っちゃうだろ?」
実際俺たちは今、目立ちまくっていた。
カフェにいる全員がこっちに意識を向けているのが肌で感じられる。
「そういうことならしょうがないわね。それにケースケに美人だって言ってもらえたし、今日はこれくらいにしておいてあげる」
シャーリーはそう言うと、小さくウインクをしながら身体を離してくれた。
シャーリーは強気で自分の言いたことをガンガン言うタイプなんだけど、昔から俺の言うことは割と素直に聞き入れてくれるんだよな。
なんでかは知らないけど。
俺たち波長が合うのかな?