「その様子だと、2人もどこかに出かける予定だったのか?」
「アイセルさんとシャーリーを誘ってご飯でも食べに行こうかなって思ってたの。でもせっかくだしケイスケも入れて全員でお寺に行って、その後みんなでご飯しようよ? クエストに向けての決起集会的な?」
「……なんで最初は俺がハブられてたんだ? 新手のいじめかよ? いい加減泣くぞ?」
「やーね、ケイスケが部屋にこもってなんか一生懸命やってるから、邪魔しないように気を使ってあげたんじゃない。失礼しちゃうわ! 後で差し入れ持って行ってあげようと思ってたのに」
「ごめん、今のは俺が全面的に悪かった。サクラって空気が読めないようで、ほんと気が利くよな。ごめんな、それと気を使ってくれてありがとう」
「当然でしょ、私は大人のレディだもん」
「ははっ、そうだったな。偉いぞサクラ」
さっきアイセルにしたようにサクラの頭を優しく撫でてやると、
「だから子ども扱いしないでってば!」
サクラはプイっと顔を背けてしまう。
でも撫でる手が跳ねのけられることもなく、なんとなく嬉しそうな表情に見えなくもないので、言うほど嫌ってわけじゃないのかな?
俺はサクラの機嫌が治るまでしばらく頭を撫で続けあげた。
「もう、さっきからサクラばっかりずるいです」
さらに途中でアイセルも参戦してきて、俺は右手でサクラ、左手でアイセルの頭を撫でることになってしまう。
「はいはい、ここでいつまでも頭を撫でているのもなんだし、まずは4人で神様にお願いに行きましょう。それでそれからご飯にしましょう」
最終的にシャーリーがいい感じにまとめてくれて、俺たちはパーティ『アルケイン』全員でこの町にある唯一の寺院へと足を運んだ。
◆
「ここって二大主神のオルディンとアテナイを祭っている寺院ですよね?」
アイセルの言ったとおりで、俺たちがやって来たのはどこの町にも一つはある二大主神を祭る寺院だった。
「ねえねえケイスケ、今さらなんだけど私たちがオルディンやアテナイに祈っていいの? だって私たち冒険者はみんな、冒険の神ミトラの信徒な訳でしょ? 一応」
着いて早々、サクラが少し不安そうに聞いてくる。
「まぁ形の上ではそうだな、一応。ただ実際のところは、冒険者のほとんどは普段から積極的にミトラ神に祈ったりすることはない、どころかほぼ意識はしていないだろうけど」
かくいう俺も、ミトラ神に祈ったり特別に何か宗教的行為をしたりするすることはほぼない。
パーティを組む時の誓約、その時にその存在を意識するくらいだろうか。
「じゃあじゃあ、一応でも信徒なら別の神様にお願いしたら怒られるんじゃないのかな?」
「どうなんだろうな? 俺は専門じゃないから詳しくは分からないけど……シャーリー、どうなんだその辺?」
「アタシも神学は専門じゃないからはっきりとは言えないけど、オルディンやアテナイは主神で、ミトラから見たら格上にあたるから大丈夫じゃない?」
「大丈夫だってよ、サクラ」
「さすが神様、心が広いわね!」
「まぁ宗派の違いについては置いといてだ。実はこっちに小さな社があるんだよ」
そう言うと、俺はみんなを寺院の敷地のすみっこにポツンと立っている小さな神殿へと案内した。
「アイセルさんとシャーリーを誘ってご飯でも食べに行こうかなって思ってたの。でもせっかくだしケイスケも入れて全員でお寺に行って、その後みんなでご飯しようよ? クエストに向けての決起集会的な?」
「……なんで最初は俺がハブられてたんだ? 新手のいじめかよ? いい加減泣くぞ?」
「やーね、ケイスケが部屋にこもってなんか一生懸命やってるから、邪魔しないように気を使ってあげたんじゃない。失礼しちゃうわ! 後で差し入れ持って行ってあげようと思ってたのに」
「ごめん、今のは俺が全面的に悪かった。サクラって空気が読めないようで、ほんと気が利くよな。ごめんな、それと気を使ってくれてありがとう」
「当然でしょ、私は大人のレディだもん」
「ははっ、そうだったな。偉いぞサクラ」
さっきアイセルにしたようにサクラの頭を優しく撫でてやると、
「だから子ども扱いしないでってば!」
サクラはプイっと顔を背けてしまう。
でも撫でる手が跳ねのけられることもなく、なんとなく嬉しそうな表情に見えなくもないので、言うほど嫌ってわけじゃないのかな?
俺はサクラの機嫌が治るまでしばらく頭を撫で続けあげた。
「もう、さっきからサクラばっかりずるいです」
さらに途中でアイセルも参戦してきて、俺は右手でサクラ、左手でアイセルの頭を撫でることになってしまう。
「はいはい、ここでいつまでも頭を撫でているのもなんだし、まずは4人で神様にお願いに行きましょう。それでそれからご飯にしましょう」
最終的にシャーリーがいい感じにまとめてくれて、俺たちはパーティ『アルケイン』全員でこの町にある唯一の寺院へと足を運んだ。
◆
「ここって二大主神のオルディンとアテナイを祭っている寺院ですよね?」
アイセルの言ったとおりで、俺たちがやって来たのはどこの町にも一つはある二大主神を祭る寺院だった。
「ねえねえケイスケ、今さらなんだけど私たちがオルディンやアテナイに祈っていいの? だって私たち冒険者はみんな、冒険の神ミトラの信徒な訳でしょ? 一応」
着いて早々、サクラが少し不安そうに聞いてくる。
「まぁ形の上ではそうだな、一応。ただ実際のところは、冒険者のほとんどは普段から積極的にミトラ神に祈ったりすることはない、どころかほぼ意識はしていないだろうけど」
かくいう俺も、ミトラ神に祈ったり特別に何か宗教的行為をしたりするすることはほぼない。
パーティを組む時の誓約、その時にその存在を意識するくらいだろうか。
「じゃあじゃあ、一応でも信徒なら別の神様にお願いしたら怒られるんじゃないのかな?」
「どうなんだろうな? 俺は専門じゃないから詳しくは分からないけど……シャーリー、どうなんだその辺?」
「アタシも神学は専門じゃないからはっきりとは言えないけど、オルディンやアテナイは主神で、ミトラから見たら格上にあたるから大丈夫じゃない?」
「大丈夫だってよ、サクラ」
「さすが神様、心が広いわね!」
「まぁ宗派の違いについては置いといてだ。実はこっちに小さな社があるんだよ」
そう言うと、俺はみんなを寺院の敷地のすみっこにポツンと立っている小さな神殿へと案内した。