「で、ここからが本番なんだけど。近くにアイセルの功績を称えるテーマパークがあるから、ここもテーマパークの一環として宣伝してもらうことにしたらどうかな?」
『宣伝?』
「アイセルが攻略した最新クエストを追体験できる場所。最高位の水の精霊ウンディーネと出会える体験型アトラクション『精霊の森』として売り出すんだ」
『ほぅほぅ、それでそれで?』
俺の提案を聞いて、ウンディーネがとても興味ありそうに身を乗り出してきた。
「古の盟約はものすごい伝説だと思う。だけど残念ながら古すぎて、それ単体じゃもう宣伝効果がほとんど失われているとも思うんだよ」
『しょぼーん……』
「だからそこにアイセルの知名度を上乗せして、アイセルが攻略した古の盟約を疑似体験できるアトラクションとして、再構築するんだ」
『つまり知名度の相乗効果ってわけね?』
「そういうこと。そうしたら観光客が流れてくるだろうから、ウンディーネたちは訪れた観光客たちに対して、たまにやってたっていう伝説の再現をしてあげてほしいんだよ」
『ふんふん、いいじゃない。悪くないアイデアよ』
「ドリアード達が出てきて、道中でちょっとしたイタズラをするってのもありかもな。そうしたらドリアードたちの認知度も上がって彼女たちの位階が上がるかもだろ? 損する奴はいない、みんなハッピーだ」
ウンディーネから上意下達で命令されて嫌々やるのと違って、自分の利益にもなるんだからやる気も違ってくるだろう。
『だいたいのことは分かったわ。いい案ね、それで行きましょう』
「ああでも相手は一般人だからな、間違っても怪我はさせるなよ?」
『ちょっと脅かしたりするだけでしょ? 分かってるわよ。あ、それならもういっそのこと危険要素は全部なくして、ウッドゴーレムに乗って精霊の泉まで移動するってのはどう?』
「お、いいんじゃないか? 滅多にお目にかかれないウッドゴーレムに乗れるってのは需要がありそうだし」
『ふふん、我ながらナイスアイデアよね』
「じゃあそういうことで」
『ちょっと待って、その前に』
「どうした、疑問点でもあったか?」
話をまとめようとした俺を、ウンディーネが呼び止めた。
「疑問点って言うか、あんたたちのメリットは何なの? これじゃあ得するのは私たち精霊だけだよね?』
「俺たちのメリットは特にないかな。強いて言えばアイセルがさらに有名になることだけど、今回は損得抜きで行こうと思ってる」
『その心は?』
「ウンディーネがとても正直で好感が持てたから。俺は正直な相手には誠意をもって対応したいし、せっかく縁ができたんだから、困ってるのなら俺にできることがあればやってあげたいかなって思ってさ」
「わたしもです」
「分かる!」
「アタシ的には、高位の精霊がポイント制でランク付けされてるって裏話を、当の高位の精霊自身から直接聞けただけでも大収穫だしね。これ精霊研究における大発見よ?」
『ううっ! あんたたちってば本当にいい人間といいエルフだったのね……! 私は今モーレツに感動しているわ!』
ウンディーネが感極まったように言った。
「そりゃ良かった。じゃあさっき提案したので話を持って帰っていいかな? さすがに俺たちの一存では決められないんだけど、アイセル率いるパーティ『アルケイン』直々のお願いなら、観光協会の人もノーとは言わないはずだからある程度期待はしてもらって大丈夫だから」
『よろしく頼むわね! できれば精霊格付け会議の前までに。ちょうど1か月後だから』
「了解だ。じゃあ話もまとまったところで俺たちは帰るか」
『あ、待って』
帰ろうとした俺たちを、ウンディーネが再び呼び止めてきた。
『宣伝?』
「アイセルが攻略した最新クエストを追体験できる場所。最高位の水の精霊ウンディーネと出会える体験型アトラクション『精霊の森』として売り出すんだ」
『ほぅほぅ、それでそれで?』
俺の提案を聞いて、ウンディーネがとても興味ありそうに身を乗り出してきた。
「古の盟約はものすごい伝説だと思う。だけど残念ながら古すぎて、それ単体じゃもう宣伝効果がほとんど失われているとも思うんだよ」
『しょぼーん……』
「だからそこにアイセルの知名度を上乗せして、アイセルが攻略した古の盟約を疑似体験できるアトラクションとして、再構築するんだ」
『つまり知名度の相乗効果ってわけね?』
「そういうこと。そうしたら観光客が流れてくるだろうから、ウンディーネたちは訪れた観光客たちに対して、たまにやってたっていう伝説の再現をしてあげてほしいんだよ」
『ふんふん、いいじゃない。悪くないアイデアよ』
「ドリアード達が出てきて、道中でちょっとしたイタズラをするってのもありかもな。そうしたらドリアードたちの認知度も上がって彼女たちの位階が上がるかもだろ? 損する奴はいない、みんなハッピーだ」
ウンディーネから上意下達で命令されて嫌々やるのと違って、自分の利益にもなるんだからやる気も違ってくるだろう。
『だいたいのことは分かったわ。いい案ね、それで行きましょう』
「ああでも相手は一般人だからな、間違っても怪我はさせるなよ?」
『ちょっと脅かしたりするだけでしょ? 分かってるわよ。あ、それならもういっそのこと危険要素は全部なくして、ウッドゴーレムに乗って精霊の泉まで移動するってのはどう?』
「お、いいんじゃないか? 滅多にお目にかかれないウッドゴーレムに乗れるってのは需要がありそうだし」
『ふふん、我ながらナイスアイデアよね』
「じゃあそういうことで」
『ちょっと待って、その前に』
「どうした、疑問点でもあったか?」
話をまとめようとした俺を、ウンディーネが呼び止めた。
「疑問点って言うか、あんたたちのメリットは何なの? これじゃあ得するのは私たち精霊だけだよね?』
「俺たちのメリットは特にないかな。強いて言えばアイセルがさらに有名になることだけど、今回は損得抜きで行こうと思ってる」
『その心は?』
「ウンディーネがとても正直で好感が持てたから。俺は正直な相手には誠意をもって対応したいし、せっかく縁ができたんだから、困ってるのなら俺にできることがあればやってあげたいかなって思ってさ」
「わたしもです」
「分かる!」
「アタシ的には、高位の精霊がポイント制でランク付けされてるって裏話を、当の高位の精霊自身から直接聞けただけでも大収穫だしね。これ精霊研究における大発見よ?」
『ううっ! あんたたちってば本当にいい人間といいエルフだったのね……! 私は今モーレツに感動しているわ!』
ウンディーネが感極まったように言った。
「そりゃ良かった。じゃあさっき提案したので話を持って帰っていいかな? さすがに俺たちの一存では決められないんだけど、アイセル率いるパーティ『アルケイン』直々のお願いなら、観光協会の人もノーとは言わないはずだからある程度期待はしてもらって大丈夫だから」
『よろしく頼むわね! できれば精霊格付け会議の前までに。ちょうど1か月後だから』
「了解だ。じゃあ話もまとまったところで俺たちは帰るか」
『あ、待って』
帰ろうとした俺たちを、ウンディーネが再び呼び止めてきた。