だけど今の冒険者パーティは昔と違って、冒険者ギルドに管理された職業をベースに合理的かつ計画的に無駄なく作られている。
パーティ『アルケイン』もアイセルがフロントアタッカー、サクラが盾役、シャーリーが大規模先制攻撃&遊撃、俺はバフ&全体指揮と役割が明確に分担されている。
昔よりも合計レベルに対する総合力は高くなっている代わりに、柔軟性にはやや欠けているのだ。
そんな風に冒険者パーティという同じ呼び名でも、今と昔ではその在り方からして違うのだった。
そしてドリアードはその現代パーティ特有の弱点を、見事についてきたというわけだ。
「完全に現代の冒険者パーティとの戦いに適応しているのか、勉強熱心なこった」
「ドリアードってほんとうに頭のいい精霊なんですね」
「俺もよくよく実感できたよ。しかもウッドゴーレムの耐久力がこれまたすごくて、さらには数が多いときた。そこにドリアードにパーティの出せる総合力を低減させられたら、これは確かにAランクパーティでも荷が重いだろうな」
「ではケースケ様、ここはやはり事前の作戦通りに行きましょう。ケースケ様の立てた、レインボー作戦をスタートです!」
俺はアイセルの言葉にうなずくと、大きな声で指示を出した。
「『ふっくらつやつや白米』! アイセルとサクラは今までと同じようにウッドゴーレムを攻撃、俺は後方待機、シャーリーは俺を守りつつ随時援護で!」
俺の作戦指示にアイセル、サクラ、シャーリーがこくんとうなずいた。
いきなり出てきた『ふっくらつやつや白米』というのがもちろん作戦のポイントだ。
これが事前に取り決めていた符丁――つまり『合言葉』だった。
今からは合言葉がない発言は全部無視するというのが、俺が用意した対ドリアードの作戦なのだ。
アイセルとサクラが再びウッドゴーレムとの戦いをはじめ、その数を減らしていく。
『『ふっくらつやつや白米』! 新手のウッドゴーレムが右手から来たぞ! サクラは現状をキープ、アイセルはそっちの対応に当たってくれ!』
しかし『俺の声』を聞いてもアイセルは全く耳を貸しはしない。
サクラも同じで、アイセルと一緒に1体、また1体とウッドゴーレムの数を減らしていく。
ふふん、かかったな。
合言葉をすぐに逆利用してみせたのはさすがの判断だ。
だけど同じ合言葉を使うわけがないだろう?
それじゃバレバレじゃないか。
次の合言葉は『特選アルケイン牛のジューシー焼肉』だっつーの!
もちろんこの合言葉の元ネタは、『七色のブレスを喰らいつくせ! 魔法戦士アイセルのレインボードラゴン討伐記念弁当』のお品書きだ。
書いてあった上から順に合言葉として使い、一周したらまた最初からという手はずになっている。
これは最近販売が始まったあのご当地弁当を知っていない限り、絶対に解読できない合言葉であり。
当然森の中で生活する森の精霊たちが知っているわけはないのだった。
「どうだ見たかドリアード、頭脳戦なら受けて立つぞ?」
俺は事前に用意した対策がばっちりハマったのと、珍しく戦闘中に貢献らしい貢献ができたことに少なくない喜びを感じていた。
なにせ、この前の傭兵王グレタ戦では散々迷惑かけて足を引っ張っちゃったからね……。
パーティ『アルケイン』もアイセルがフロントアタッカー、サクラが盾役、シャーリーが大規模先制攻撃&遊撃、俺はバフ&全体指揮と役割が明確に分担されている。
昔よりも合計レベルに対する総合力は高くなっている代わりに、柔軟性にはやや欠けているのだ。
そんな風に冒険者パーティという同じ呼び名でも、今と昔ではその在り方からして違うのだった。
そしてドリアードはその現代パーティ特有の弱点を、見事についてきたというわけだ。
「完全に現代の冒険者パーティとの戦いに適応しているのか、勉強熱心なこった」
「ドリアードってほんとうに頭のいい精霊なんですね」
「俺もよくよく実感できたよ。しかもウッドゴーレムの耐久力がこれまたすごくて、さらには数が多いときた。そこにドリアードにパーティの出せる総合力を低減させられたら、これは確かにAランクパーティでも荷が重いだろうな」
「ではケースケ様、ここはやはり事前の作戦通りに行きましょう。ケースケ様の立てた、レインボー作戦をスタートです!」
俺はアイセルの言葉にうなずくと、大きな声で指示を出した。
「『ふっくらつやつや白米』! アイセルとサクラは今までと同じようにウッドゴーレムを攻撃、俺は後方待機、シャーリーは俺を守りつつ随時援護で!」
俺の作戦指示にアイセル、サクラ、シャーリーがこくんとうなずいた。
いきなり出てきた『ふっくらつやつや白米』というのがもちろん作戦のポイントだ。
これが事前に取り決めていた符丁――つまり『合言葉』だった。
今からは合言葉がない発言は全部無視するというのが、俺が用意した対ドリアードの作戦なのだ。
アイセルとサクラが再びウッドゴーレムとの戦いをはじめ、その数を減らしていく。
『『ふっくらつやつや白米』! 新手のウッドゴーレムが右手から来たぞ! サクラは現状をキープ、アイセルはそっちの対応に当たってくれ!』
しかし『俺の声』を聞いてもアイセルは全く耳を貸しはしない。
サクラも同じで、アイセルと一緒に1体、また1体とウッドゴーレムの数を減らしていく。
ふふん、かかったな。
合言葉をすぐに逆利用してみせたのはさすがの判断だ。
だけど同じ合言葉を使うわけがないだろう?
それじゃバレバレじゃないか。
次の合言葉は『特選アルケイン牛のジューシー焼肉』だっつーの!
もちろんこの合言葉の元ネタは、『七色のブレスを喰らいつくせ! 魔法戦士アイセルのレインボードラゴン討伐記念弁当』のお品書きだ。
書いてあった上から順に合言葉として使い、一周したらまた最初からという手はずになっている。
これは最近販売が始まったあのご当地弁当を知っていない限り、絶対に解読できない合言葉であり。
当然森の中で生活する森の精霊たちが知っているわけはないのだった。
「どうだ見たかドリアード、頭脳戦なら受けて立つぞ?」
俺は事前に用意した対策がばっちりハマったのと、珍しく戦闘中に貢献らしい貢献ができたことに少なくない喜びを感じていた。
なにせ、この前の傭兵王グレタ戦では散々迷惑かけて足を引っ張っちゃったからね……。