「……好きです」

 もう一度つぶやくと、要先生がふっと笑った。

「ありがとう。そういえば、そろそろお昼だけどお腹はすかない?」
「べつに……」

 要先生にうまくはぐらかされた。そう思いつつ首を横に振った直後、私のお腹がぐぅーっと鳴る。

 こんなときに、間が悪い。

 顔を赤くしてお腹を押さえると、私の頭上で要先生がくつりと笑う。

「お昼は持ってきてるの?」
「いえ……」
「コンビニに買いに行ってくる?」
「先生は……?」
「星名が買い物に行くなら、俺はここで待ってるよ」
「絶対待っててくれますか?」

 振り向いてじっと見上げると、要先生が片眉を下げて笑う。

「ちゃんと待ってるよ」
「絶対に?」
「絶対に」

 何度もしつこく確かめる私に、要先生が苦笑いで答える。