決して、自分の意思じゃないから……!!
「なにって俺が思ってる事だけど?」
そ、そんなことくらい分かってるし……!
どうして、カイくんはなんかこう……いつもドストレートに言葉をぶつけてくるんだろう。
って、そうじゃない。今日はカイくんに話があったんだ。
時間がかかってしまったけれど、覚悟が決まった。
過去のことを話す覚悟と彼に嫌われる覚悟が。
きっと、この話をすれば私は泣いてしまうだろう。
だけど、どんなことがあっても私を包み込んでくれたカイくんには知ってもらいたいんだ。
「あのね、カイくん」
「ん?」
また、柔らかな風が吹く。
そして栗色の彼の髪の毛をゆらりと優しく揺らす。
彼が私に向かって、そっと全てを包み込むかのように柔らかく優しく目を細めた。
大丈夫。カイくんは悪い人じゃないから。
もし、受け入れてくれなくても、それでいい。
また私が一人になればいいだけの話なのだから。
『全部、受け止めるから』
あの日、そう言ってくれたように私は君のその言葉を信じてみようと思う。
「私、好きな人がいるの」
わたしがそう言うと、彼の澄んだ瞳が少し動揺したように揺れた。
「……」