しばらく一人で海を眺め、段々と冷静になってきた私は立ち上がり、みんなのいる場所へと戻った。

江奈がクラスメイトと楽しそうに笑顔を浮かべながらワチャワチャと喋っているのが目に入った。
こっちが笑ってしまいそうなほど楽しそうにしている。

カイくんはどこにいるんだろう……。

こんなときまで無意識にカイくんの姿を探してしまう自分が嫌になる。

そして、視界に入ったカイくんは女の子と仲良さそうに話していて、胸が張り裂けそうな程、ズキリと痛んだ。

別にカイくんが誰と話していようが私には関係ないじゃん。
それに、カイくんのことなんて好きじゃない。
あんなチャラチャラした人……何を考えているのかわからないし。

頭からカイくんのことを消し去ろうと頭を左右に小さく振る。

だけど、なかなか消えてくれない。
本当は、見たくない。カイくんがほかの女の子と仲良くしている姿なんて。

私の居場所なんてどこにもないように思えてこの場からいなくなりたい衝動に駆られる。
ただ、自分が深く考えすぎだってことは分かっている。