どうしたって彼にはもう会えないし、どうやったって私の犯した罪は消えない。消せるはずがない。


「ほんと、素直じゃないよな」

「うるさい!そっちはいつもヘラヘラ笑ってるだけじゃん!」

「はぁ?俺はいつでも笑顔って言ってくんね?」


少し怒ったように眉をひそめて言っているけれど、声は明るいままだから心の底から怒っているようには見えない。


「意味わかんないし!」

「ハルって意外と俺と話してくれるよな」


無邪気に口角を上げ、「俺、ちょー嬉しい」なんて言っている彼。

別に話したくて話しているわけじゃない。

そっちが話しかけてくるからじゃん。


「勘違いしないでよ、バカ」

「ふっ、照れ隠しかよ」

「ち、違うし!」


なんか滝沢くんと話しているといつもこんな言い合いっぽくなっちゃうな。

なんでなんだろう……。

飾らない自分でいられるというかなんというか一緒にいてすごく楽なのはひしひしと感じている。

それから結局、予鈴が鳴るまでくだらない話をしてから教室まで戻った。





放課後。

私はある場所に向かった。
先程、お花屋さんで買った仏花の入った袋をぶら下げて。