ハァハァ……さすがに疲れた。
屋上に着いてすぐ膝に手をついて乱れた呼吸を整える。
本当は自分でも、もう気づいている。
彼が私に毎日告白してくれて、突き放しても話しかけてくれて……。
少し前まで息をするのすら苦しかったはずなのに彼のおかげで今は生きてるのも悪くない、と思う時があるということも、渉くんのことを思い出す時間が少なくなってきていることにも、全部気づいている。
でも、ふとしたときに彼を思い出して自分の犯してしまった罪の重さにまた胸を苦しめる。
最近はそれの繰り返しばかりだ。
「もう……やだっ」
渉くん……会いたい。
会って、優しく頭を撫でてよ。
私はまだあなたが好き。大好き。
「やっぱりここにいた……っ」
「なんで……追いかけてくるの!?」
あんなに冷たくしてるのに。
はぁはぁ、と息を切らして辛そうに顔を歪ませている彼。
「なんでそんなに俺のこと避けてんの?」
「別に避けてなんか……!」
「嘘ばっかり。避けても避けても俺が全然引かねぇからビックリしてんだろ?」
思っていたことを言い当てられて言葉を失い、黙り込んだ。