二年前、私はあんなに酷く後悔したのにまたそれを繰り返そうとしている。

だから、今度は同じ過ちを犯したくない。後悔したくない。

たとえ、振られてもいいからこの気持ちを君に伝えたい。

もう渉くんには会いに行くことはできない。会うことがない。

だけど、カイくんは居場所さえ分かれば会いに行ける。君に会うことができる。

会いたい時に会えるのは当たり前じゃないからこそ、私はなんとか君の居場所を聞き出して、この気持ちを伝えたいんだ。


「楠川さん……」


増田くんがぽつりと私の名前を呼んだ。


「だから、お願い……!教えてください……!」


必死に二人に頭を下げて、お願いをする。

私がカイくんともう一度会うことができる唯一の方法は彼らに居場所を聞くことしかないのだ。


「私、カイくんの笑った顔がみたいの……!」


最後に私が見たカイくんはひどく泣きそうな顔をしていた。

私はカイくんの太陽みたいな眩しい笑顔が好きだ。

彼が笑うと、まるで魔法にかけられたかのように私も自然と笑顔になれる。

あの笑顔に、底なしの優しさに、何度も何度も救われて来たんだ。