だけど、次の日から君は何故かまた学校に来なくなったのだ。

増田くんたちに聞いてみても今度は上手くはぐらかされるだけで全く口を割ってくれない。

どうして、また君は学校に来なくなったの?

お母さんのことは解決したはずなのに……。

まさか、まだ彼は何かを抱えているのだろうか。

また、一人で抱え込んで苦しんでいるの?

カイくんは学校に来ないけれど、朝は変わりなくやって来て授業も、文化祭の準備も、君がいない中で着々と進んでいく。

気がつけば、文化祭まであと一週間になっていた。

もしかして、このままずっと学校に来ないつもりかな?

私は、やっとこの溢れんばかりの想いを君に伝えようと決めたのに。


「ねぇ、お願い……っ!カイくんがどうして学校に来ないか教えて欲しいの……!」


放課後。

私は今日も屋上で増田くんと浜松くんにカイくんのことについて聞き出そうとしている。

二人は気まずそうに顔を見合わせてから、ゆるりと私の方へ視線を移して曖昧に笑う。

迷惑だろうとわかっているけれど、ここのところ毎日のようにこうして彼らにすがっている。

それでも彼らは口を一向に割らない。
だけど、そんなことで折れている場合じゃない。

私は本気でカイくんが好きだから。