本当に私のことを想ってくれているのがすごく伝わってくる。そんな友達がいてくれるだけで私は幸せだ。
それに気づかせてくれたのは、カイくんだ。
屋上に来ていてよかった。
教室だったらカイくんもいるし、クラスメイトだっているからたくさんの人に不審がられていたことだろう。
「人の気持ちは変わるものなんだよ。まだ友達としていられるだけで十分すぎるくらい」
本心ではあるけれど、ズキズキと痛む自分の心に言い聞かせるように言葉を紡いだ。
友達でいられるだけ、私は幸せだよ。
だって、カイくんは私を救ってくれたから。
罪の意識に縛り付けられて死にかけていた私の心をまた浮上させてくれた。
カイくんがいなかったら未だに私は周りの人の優しさにも気づかず、光のない暗闇を一人ぼっちで彷徨っていただろう。
彼は遊びなんかじゃなく、私のことを本気で好きで、本気でぶつかってきていてくれたことも痛いほど分かっている。
「陽音……、無理しないで……っ?」
「無理なんて、してないよ。私はもうたくさん泣いたから、これからはたくさん笑わなきゃみんなに怒られちゃう」
もうたくさん泣いた。
だから、たくさん泣いた分これからはたくさん笑うんだ。
そうすれば、未来はきっと明るい。