【陽音side】
『俺、もうお前のこと好きじゃないから』
週が明けて、月曜日。
ただでさえ、月曜日は憂鬱だというのに私の気分は最悪だった。
ここのところカイくんから言われた言葉が永遠に頭の中でループしていた。
だって、あまりにも突然だったから。
やっと私も前に進んで歩き出せたのに遅かったのだ。
全部、いつまでもうじうじして、なかなか恋に踏み込めなかった自分が悪いんだ。
人の気持ちなんて、永遠に続くものじゃない。
いずれは変わってしまうものだ。
後悔しても遅いって痛いほど経験したのにまた私は繰り返してしまった。
まだ、友達なだけマシだと思った方がいい。
そもそも最初から私たちは友達同士でそれ以上でもそれ以下でもなかった。今までと何も変わらない。
それなのに私はどうしてこんなにも言葉では言いようのないショックを受けているんだろう。
「ねぇ、陽音。聞いてる?」
「え?あ、ごめん。聞いてなかった」
「もー、しっかりしてよね。もしかして、滝沢くんとなんかあった?」
今日の昼休みは江奈と過ごしている。
いつもならカイくんと一緒にいるはずなのに今日は一緒にいないことを不審に思ったのか江奈が心配そうに眉を下げながら聞いてきた。
「……私のこと、好きじゃなくなったんだって」
「……え?」