嘘つき。大嘘つきだ。
今だって、本当は好きなくせに。
大好きだって思っているくせに。
この先もずっとハルの笑顔を見ていたいと思うのに。
俺が守るって、そばにいてやるって決めたのに。
運命は残酷で、神様は俺に優しくしてくれないみたいだ。
「うん……っ」
「じゃあ、また明日」
逃げるようにそう言うと、俺は早足で歩き始めた。
このまま、一緒にいたら離れてしまいたくなくなってしまいそうになるから。
不意にハルを抱きしめてしまいそうで、怖かったから。
俺の決意が、簡単に揺らいでしまうから。
ごめんな、ハル。
いつかお前を傷つけてしまうとわかっているから、そのためにはこうするのが一番だと思ったんだ。
友達、でいよう。これからも。
自分勝手で弱い俺をどうか許して欲しい。