確かに鼻筋がスッと通っているから横顔ですらすごく綺麗で、思わず見とれてしまいそうになるのは十二分すぎるくらいわかるけれど、普段の生活態度も含めるとさすがにチャラすぎない?と言いたくなる。


「俺の顔に、なんかついてる?」

「へっ……!?」


滝沢くんのことを考えていたら無意識に彼のことをじっと見つめてしまっていたようでその視線に気づいた滝沢くんが不思議そうに私を見た。

ま、また話しかけられた……!
今度こそ、本気で私の頭がパニックに陥りそうだよ!

二回も話しかけられることなんてある!?

いや、私が滝沢くんのことを見ていたのが悪いのかもしれないけれど。


「いや、何でもないよ」


まさか話しかけられると思っていなかったから心臓がばくばく、と音を立てて騒がしくなる。


「そう」


たった二文字だけ言葉を発すると滝沢くんは何も無かったかのようにまた黒板に視線を向けた。
滝沢くんが爆笑している姿は意外にも見たことが無いかもしれない。

いつもクラスの子たちと楽しそうにワイワイしているのは見かけるけれど、その時もへらりと笑っているだけだし……ってそれは失礼か。

勝手に心の中でディスってごめんね、滝沢くん。