そのまま一度も登校することなく、森川高校を退学。


わたし――(いぬい)みのりは、自分の人生からログアウトした。


お母さんは、昔からわたしに無理強いはしてこなかった。

だから、「学校に行きたくなったらまた行けばいいから」というお母さんの言葉に甘えてしまった。


わたしが7歳のときに両親が離婚し、女手ひとつでわたしを育ててくれたお母さん。

裕福な家庭とまでは言えないけれど、お母さんの日々の働きのおかげで、3階建ての賃貸マンションでそれなりに不自由のない暮らしをさせてもらっていた。


塾にも行かせもらって、高い受験料も払ったというのに落ちてしまった白峰高校。

それでも、惜しまず森川高校の授業料も払ってくれた。


なのに……わたしは。

そのすべてをドブに捨てるようなことをした。