「噂で聞いてたと思うけど、わたし…森川高校に入ってすぐに不登校になって、そのあと引きこもりなっちゃったんだよね」


わたしのカミングアウトに、かける言葉に迷うあすみんとキコちゃん。


「正直、白峰に進学した2人のことがうらやましくて、なんでわたしだけがってずっと思ってた」


でも、さっちんに会って前向きになれて。

さっちんみたいに、おしゃれに少し興味を持ち始めて。

さっちんが亡くなったと聞いて、このままの自分じゃだめだと思った。


過去にばかり囚われて、一歩踏み出すことすらやめてしまったこんな自分から卒業したいと。


「2人とも、卒業おめでとう」


わたしは満面の笑みで、2人の白峰高校の卒業を心から祝福した。



もしかしたら、これからも迷って悩んで後悔するときがあるかもしれない。