いつかは歩けなくなり、寝たきりになって長くは生きられないと診断された。


それでも、さっちんは悲観しなかった。

高校受験にも挑み、第一志望に合格。


晴れて、念願の高校生。


しかし、病状が悪化し、入退院を繰り返すようになり――。

高校1年生の5月に不登校となった。


それからは自宅療養しながら、復学に向けて勉強に励んでいたさっちん。

1年が過ぎ、2年が過ぎてもさっちんは諦めなかった。


なぜなら、後悔はしたくなかったから。


今、この瞬間は、もう二度と戻ってこない。

だから、今できることを精一杯する。


勉強だけでなく、おしゃれも楽しんだ。

好きな服を買い、髪も染めて、あこがれていたピアスの穴も開けて。


自分の人生に後悔のないように。


そういえば、さっちんからイヤホンが5万円もすると聞かされたとき――。