「…ごめんなさい、驚かせてしまったみたいね。幸歩から、みのりちゃんはなんでも話せる友達だって聞いていたから、てっきり…病気のことも伝えていたのかと…」

「…病気?」


さっちんが…?


「幸歩…、闘病中だったの。そしたら先月、急に体調が悪くなってね。入院することになったんだけど…そのまま……」


さっちんのお母さんの目に涙が浮かぶ。

わたしだってさっちんが亡くなったと聞いて悲しいはずなのに、…なぜか涙は出てこない。


だって、そんな簡単に信じられるはずがない。


いつも元気で明るいさっちんが……死んだ?

そんなわけ――。


そのあと、さっちんのお母さんはわたしに話してくれた。


さっちんの病気が見つかったのは、ちょうど3年前の中学3年生の秋。

進行性の病気で、薬でその進行を遅くすることはできても治ることはない。