だけど、すぐに次の候補日を決めていた。

それなのに、今回は予定の目処が立たないらしい。


【そっか。仕方ないね。さっちんの都合がついたら、また遊ぼうよ】

【うん!ほんとにごめんね…!】


何気なく交わしたDMのやり取り。

これが、最後のDMになるだなんて、このときのわたしが知るはずもなかった。


さっちんと会ってから10日ほとが過ぎたころ。

バッグの中を整理していたら、あるものが入っているのに気がついた。


白くて、小さくて、ころんとしたもの。


どこかで見覚えのあるそれは、なんとさっちんのワイヤレスイヤホンの片方だった。


あのとき、たしかにさっちんには返したはず。

だけど、どこでどうやって入ったのかはわからないけど、こうしてわたしのバッグの中に入っていた。


このバッグは、さっちんと最後に遊んだ日から使っていなかった。