「みのり、地元でも全然見かけないけど、こっちに引っ越した…とかではないんだよね?」

「う…うん。ずっと同じマンションだよ」

「そ、…そっか。ウチらは、ここの近くの塾通ってて。夕方から塾だから、テストで早く終わったからそれまでここで勉強しようと思って」

「…そうだったんだ。2人とも受験生だもんね」


自分で言ってつらくなった。


あすみんとキコちゃんは、今や白峰高校の3年生で大学入試を控える受験生。

片やわたしは、森川高校を中退し引きこもり、将来のこともとくになにも考えずに生きているプー太郎。


3年前まで同じ方向を向いて、お互いを励まし合っていた仲だというのに。

久しぶりに会って、わたしたち3人の絆はすでに見る影もないと思い知らされることとなった。


そこへ――。


「2人とも、遅くなってごめーん…!」