「じゃあね、みのりちゃん!」

「うん、また――」

「…みのり?」


向こうのほうにいるさっちんに手を振っていたとき、背中からそんな声が聞こえた。

とたんに、わたしの全身がまるで石になったかのように固まる。


「やっぱり、みのりだ…!」


うつむきながらおそるおそる振り返ると、チラリと見えたのは白峰高校の制服のスカート。


そう。

わたしの後ろにいたのは、中学からの友達の…あすみんとキコちゃんだった。


「久しぶり、みのり!」

「ほんと!いつぶり…!?」


2年半ぶりに会う2人は、白峰高校の制服を着ているというだけで、あのころとほとんど変わりない。

変わってしまったのは、わたしのほうだろう。


「みのり、今なにして――」


と言いかけたあすみんだけど、平日なのに明らかに私服姿のわたしを見てとっさに口をつむぐ。