満面の笑みで応えるさっちん。


「だって、あとからやっぱりあっちにしとけばよかったってなるのいやでしょ?」

「それは…そうかもだけど」

「あたし、後悔するのだけはいやなんだよね」


白い歯を見せて笑うさっちんの表情は、見ていてとても清々しい。


そんな話を聞いたら、なんだかわたしが付けているのが申し訳なくて、すぐにイヤホンを外してさっちんに返した。


「もういいの?」

「…うん!失くしたら大変だから」


さっちんの大切なイヤホンをもしわたしが失くしてしまったら、…ちょっと弁償できない。


そのあともいつもと変わらない他愛のない話をして、2時間ほど話したところでカフェを出た。


「今日も楽しかったね」

「うん。次は、来週会おうよ」

「いいよ!」


わたしはカフェの外で、さっちんと次会う約束をした。