地元の友達なら、わたしが不登校で引きこもりになったことはなんとなく耳にしているはず。


白峰に落ちて変わってしまったわたしを知られるのがいやで、知り合いには会いたくない。

外に出られるようになっても、歳の近い人たちを見つけると自然と避けるように逃げていた。


幸い、よく知らない制服姿の学生たちだから、わたしの地元の高校生というわけではなさそうだ。


少しだけほっとする。


「…みのりちゃん、大丈夫?」


不登校になって引きこもりになった事情を知っているさっちんが、心配そうにわたしの顔をのぞき込む。


「ここにいたくないなら、出ようか?」

「…ううん、平気!そうそう知り合いには会うものじゃないしね」


わたしはそう言って笑顔をつくった。


そういえば、ここへきたときから度々咳をしているさっちん。