――しかし。


「よかったわね。みのりが勇気を出して会いにいきたくなるほど、いいお友達ができたのね」


楽しそうにわたしの話を聞いてくれるお母さんに少し驚いた。


「どんなコ?写真とか撮ってないの?」

「と…撮ったよ!見た目はわたしとは全然違うんだけど――」


お母さんが聞き入ってくれるのがすごくうれしくて。

わたしは自慢げにさっちんのことについて話した。


それからもわたしとさっちんの交流は続いた。


1週間から2週間に一度ほど会う仲に。

場所は決まっていて、初めて会った杉浦公園の中にあるカフェ。


さっちんの着る服はいつもおしゃれで、髪もかわいくアレンジしている。

さっちんと会うたびに、変わり映えしない自分がなんだか恥ずかしく思えてきた。


だから、わたしは勇気を出して、数年ぶりに美容院へ行った。